動きのクセでわかる できる上司できない上司

まえがき

 誰にでも苦手な人や嫌いな人の一人や二人はいるものです。
 どうしても意見が合わない。考えていることがわからない。相手のする行動がいちいちカンにさわる。何をやっても怒られる。相手のために一生懸命やったことがことごとく裏目に出る。
 そういうときにはついつい、相手を恨んだり、自分自身が落ち込んだりしてしまいがちなものですが、そればかりではなかなか問題は解決しません。そんなときには、相手をよく研究することが大切です。相手をよく知り、どうして相手と自分がうまく行かないかを理解することができれば、様々な問題も解決の方向に向かうでしょう。
 それでは苦手な人や嫌いな人をいったいどうやって研究すればいいのでしょうか。そもそも仲が悪いわけですから、相手からじっくり考えていることを聞き出すわけにもいかず、かといって周囲の人にあれこれ聞いて回ったとしても、なかなかその人のことを理解することはできません。
 こんなとき、相手を知るもっとも有効な方法は相手の動作を観察することです。相手と面と向かったら冷静に観察できないのであれば、相手が他の人と話しているときや仕事をしているときの動作をじっくりと観察するのです。
 その人の動作には、その人の行動の仕方や考え方に関する多くの情報が詰まっています。相手の動作を観察することによって、これまでまったく気づかなかった、その人独自の動きの癖を発見することができます。そうした動きの癖、すなわち動作パターンはその人がいつも繰り返す動きの特徴なので、その特徴を知ることによって、その人がどのような行動を取るかがあらかじめ予測でき、さらに、なぜそのような行動をとるのかが理解できるようになります。
 どのような動きが何を表現しているかについては、この本の解説をお読みください。相手の動きが理解できると、相手に対する認識は大きく変わります。相手に対する接し方が変われば相手の反応も大きく変化し、それまでの人間関係を見違えるほど改善することができるでしょう。
 それではさっそく、人の動きの世界をのぞいてみることにしましょう。

2001年11月

                                  馬渕 哲
                                  南條 恵


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