高倉健

攻 撃
独 断
突 進
機 敏

 学生運動華やかなりし頃、多くの学生を引きつけ一世を風靡した「網走番外地」などのやくざ映画から、「幸せの黄色いハンカチ」、「鉄道員(ぽっぽや)」、「ほたる」などのような多くの人の胸を打つ作品に数多く出演し、ほれぼれするようなかっこいい男を演じている「高倉健」の動きを見てみましょう。

 「高倉健」の動きのレパートリーは、攻撃、独断、突進、機敏の四つです。
 やくざ映画で彼が演ずるところの主人公は、大まかに言えば、単純で、一本気で、短気で、恐れを知らずに敵地に飛び込んでいく熱血漢です。また、鉄道員などのような堅気の主人公は、たいてい実直で、仕事一筋で、融通がきかない不器用な男です。映画の中で、主人公は常に固い決意をし(攻撃+独断)、自分の信じた道を突き進み(突進)、テキパキキビキビとものごとを片付けて(機敏)いきます。それが他人から見るとどんなに危険であろうとも、自分の幸福を犠牲にしようとも決してためらうことはありません。

 彼には接近や協調や虚脱のような柔らかい動きがないため、人なつっこかったり、愛想がよかったり、ダラダラしたりするというイメージはほとんどありません。如才なく世間話をしたり、くだらないおやじギャグを連発して周囲を笑わせたりというような行動は「高倉健」には似合わないと誰しもが思いますが、それは彼が自分のイメージに似合わないからしないというわけではなく、そもそも彼にはそのような行動をすることができないのです。

 彼の動きは、常に、強く、そして早い。これらの取り付く島のないような一連の動きの影響によって、「高倉健」はいつも悲しいほど律儀で堅苦しく見えます。そして、他人と相容れず、常に孤高を保ち、ストイックなまでに一途なその姿は、多くのファン憧れを誘ってやみません。

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