久米宏

攻 撃
独 断
虚 脱
接 近
突 進
機 敏

 「ニュースステーション」のメイン司会者である「久米宏」は、それまでほとんど面白みのなかったニュース番組に新風を吹き込みました。彼の動きは、攻撃、独断、虚脱、接近、突進、機敏です。意外なことに一点注意の動きは少なく、上下と前後に非常によく動きます。

 彼はニュースを読むときには、できるだけ余計な情報を出さないために動きをコントロールしていますが、それでも、カメラに向かってぐっと乗り出し(接近、または突進)、さっと後ろにさがる動き(機敏)が頻繁に出ているのがわかります。

 また、彼は誰かと話をしているときには、下に向かって強くさがり(攻撃)、その反動で跳ね上がるように顔を上げる(独断)うなずきをよく行います。まるでボールを床に叩きつけて跳ね返すようなこの動きは、彼の激しさや妥協のなさを表現しています。

 さらに、虚脱の動きもあり、ニュースの合間やゲストとの会話の時には、相手の方にのりだして倒れる(接近+虚脱)、すばやく後ろにさがりながら笑い崩れる(機敏+虚脱)、飛び上がって机に倒れ付す(独断+虚脱)などのめまぐるしい動きを行います。

 「久米宏」は、それまでできるだけ身体を動かさず、ただ淡々とニュースを読んでいたニュース番組に、前後・上下の自由な動きを持ち込みました。これらの動きとともに、「久米宏」が伝えるニュースは斬新な魅力に富んだものになり、家庭の主婦が一日のまとめとして彼の意見を聞こうというほど、大衆の興味と関心を引きつけたのです。

 今日ではこのような番組は昼夜を問わずたくさん放送されるようになりました。そしてそれらの番組では、実はキャスターの魅力、すなわちキャスターの身体の動きの魅力が競われているのです。