−(2).接触型デザインの店(販売員空間が狭い場合)の接客方法
 

下のイラストは、20数年前の百貨店の1階によくあった

アクセサリー・貴金属売り場を描いたものですが、

現在でもこの構造はほとんど変わっていません。

ケースの素材やデザインが多少変わったくらいで、

ほとんどが、六尺ケースを何本か並べて一店の店になっています。

かつての接客教育で盛んに教育されていたことに、

客待ち姿勢

があります。

当時は、客が来るまで、販売員はきちんとした姿勢を保って

待っていることが正しいとされていました。

きちんと立って、お客様をお迎えするのが礼儀とされていたのです。

しかし、このアクションは典型的な

なわばり主張

客を遠ざけるアクション

です。

かつての百貨店の一階のアクセサリー売り場と

化粧品売り場では特にこの教育が徹底されていたため、

客にとっては非常に近づきにくい売り場でした。

 

一方、百貨店の 地下食品売り場では、

さすがに客待ち姿勢はそれほど徹底されていませんでしたが、

その代わりに激しい接客アプローチが当然のこととされていました。

しかし、こうしたアクションは激しいなわばり主張であり、

客を遠ざける結果になっていたのです。 

そいういうあまり売れない販売員がたくさんいるなかに、

ときどき非常に高い売り上げを上げる

「達人販売員」が存在していましたが、

当時、そのノウハウはほとんどなぞのままになっていました。

達人がしていることを観察すると、他の販売員のような客待ち姿勢や

激しい接客アプローチはしていないことはわかりましたが、

しかし、それでは何をしていたかというと、

特に何もしていない

としか言いようがありませんでした。

達人はなぜか

ひんぱんに掃除をしたり、商品の整理をしたり

していましたが、当時はそれがいったい

何の意味があるのか誰もわかりませんでした。

しかし、それは、完全に

なわばり解除

をしており、それこそが

客を引き付けるアクション

だったのです。

客は、販売員に見られていると思うと、それだけでその場を離れてしまうことがあります。

まだ、買うかどうかがはっきりしていない状態の客は、

販売員の接客アプローチを受けることを嫌いますが、

当時は、接客しないことは失礼になると思われていたので、

早すぎる接客が嫌われる考え方は

なかなか受け入れられませんでした。 

 

 
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