ファンもいるもてなしの達人
息子の嫁にほしいと言われる人
 

感じが良い接客をするといわれている人は

実際にはどのような動きをしているのか?

この人は、若くしてある日本料理の店の

スタッフの教育係に任命された接客の達人である。

さっそく、動きを見てみよう。

客が店内に入って、彼女が担当となり、いよいよ接客開始。

日本料理店ということもあって、

日本的なへりくだった動きが基調となっている。

(へりくだった動きについては販売員の動き方トレーニングを見てください)

「いらっしゃいませ」というあいさつの時、

着物を着ているため、あまり深いおじぎはしないが、

ゆっくりと頭を下げ、ゆっくりとあげるために

大変ていねいに見える。 

 飲食店のスタッフのもっとも基本的な動きは

食事を出すことと、空いた食器をさげることだが、

簡単そうに思えるこの動きが

きちんとできると感じが良いと評価され、

いいかげんにすると感じが悪いと評価される。

簡単なことのようだが、料理などを出す時には、

置く場所の目標をきちんと定めて、 

その場所に向かって、ゆっくり確実に手を伸ばす。

この時、身体全体が自然に前傾すると感じが良い。 

食器を置く時には、音がしないようにそっと置く。 

 料理やコースの内容を説明する時は、

前傾して、メニューなど説明するものの方に

身体をきちんと向けるとていねいに見える。

年配の人には、指で指す動きが嫌われることもあるので

手のひらを向けて料理を説明している。 

 注文を受ける時にも、前かがみになって、

相手の方を見て内容を聞く。 

 お客様の注文がはっきりと伝わったことを示すために、

上から下に力を入れて、うなずく。 

この動きは、信頼感を感じさせるアクションである。

時々、身体を動かさずに、「はい」と言葉だけで返事をしたり、

ひどい時には、聞き取れないような声で返事をするスタッフもいるが、

そういう返事の仕方は、お客様を不安にさせるので、 

良いサービスとは言えない。

 *

次に、食器を下げる時のアクションだが、

そこにも、感じの良い動きと悪い動きがある。

食器に向かって手を伸ばす時(前に出る時)にはゆっくり、

(早く動かすとお客様をびっくりさせるから) 

そして、食器を下げる時(後ろに引く時)には、

素早くすると、きびきびして見える。

もちろん、この時も、お客様がびっくりするほど

早くしてはいけない。手を伸ばした時よりも、

少し早くすることで、自然な動きに見える。 

この達人は、接客の間中、感じが良い動きを提供し続ける。

身体を前に動かす時にはゆっくり。

身体を後ろに動かす時や、移動は素早く。

説明をする時は、身体全体を説明するものに向けてきちんと。

お客様の注文には上から下に力の入ったうなずきで応える。

お客様の世間話を聞く時には、上に向かって力を抜くうなずきで応える。

 

これらの動きをやり続けた結果、この人には多くのファンが付き、

「ぜひ、息子の嫁に」という年配女性が何人も現れたそうである。

本人は、自分がお客様に好かれる理由は、

「お客様との距離感を大切にしているから」と

説明しているが、自分の身体の動きについては

よく理解していなかった。

実際には、感じが良い動きをたくさんすることによって、

多くのファンを獲得したものと分析できる。

主に使う動き

● 一点注意の動き・・・・・・ 身体を外側から内側へ回転させて一点を指し示す動き

● 攻撃の動き・・・・・・・・・・・・・ 身体を上から下に向かって、力を入れて動かす動き

● 虚脱の動き・・・・・・・・・・・・・・・身体を上から下に向かって、力を抜いて動かす動き

● 協調の動き・・・・・・・・・・・・・ 身体を下から上に向かって、力を抜いて動かす動き

● 接近の動き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 身体を前に向かってゆっくりと動かす動き

● 機敏の動き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 身体を後ろに向かって素早く動かす動き

 

 

 

   

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