販売員空間がある、引き込み・回遊型デザインの店では
接客アプローチは必要ありません。
客はこの構造の店からは「接客されない」という
メッセージを受け取るので、こういう店であるにも
かかわらず、販売員が接客をするととまどってしまいます。
スーパーマーケットのように店が大きい場合には問題は起こりにくいのですが、
店が小さい場合には、商品空間と販売員の空間(レジカウンター)が
すぐ近くになり、販売員が思わず接客したくなるような場合もあります。
しかし、客が商品をレジに運んでこない限り、接客しないことが
客を自由に回遊させることになるのです。
販売員は、客空間に出たら、商品補充などの
作業中のアクション
をすることで、なわばりを解除し、店に活気を与えることができます。
書店やレコード店は昔からこの構造をとっていましたが、
かつての小規模の店の場合には、レジカウンターから
販売員が客をじっと見つめたり、
なにかと説明をしようとしたりすることもありました。
そういう店では客が落ち着いて商品を見たり選んだり
することができないので、セルフサービス方式を徹底した大型の
店ができると、客はどんどんそちらに引き付けられてしまいました。

販売員空間がある構造であっても、規模が小さい店の場合は、
販売員のアクションが非常に大切になります。