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相手に熱心だと感じさせるためには、
熱心に見える態度をとることが大切だ。
いくら心の中で思っていても、それが態度に出なければ、
相手にはなかなか伝わらない。
一番分かりやすい熱心を表すしぐさは、話しながら、
相手の方に前傾することである。
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前に出るというしぐさは、
熱心である
積極性やリーダーシップがある
というイメージを与えやすい。反対に引っ込み思案な人は、
後ろに下がる動きを多く行うから、消極的なイメージを与えるのだ。
前に出るしぐさにも、実は得意・不得意がある。普段あまり前に出るしぐさを
したことがない人にとっては、自然に前に出ることは意外に難しい。
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ここでは、机を挟んで話をしていて、
相手の方に自然に前傾し、熱心さをアピールするしぐさを紹介しよう。
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前に出るしぐさがスムーズにできる人は、
無意識のうちに、
前に出やすい態勢
をとっていることが多い。
左のイラストを見ると、机と人物の間に距離があることが分かる。
前に出るという動きを印象付けるためには、あらかじめ、
前に出る動きをするための空間を準備しておかなければならない。
そのために、椅子は後ろに引き気味にして、椅子の前半分に座り、
なおかつ、机と自分の身体との間に距離をとっておく。


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もしも、高級レストランで食事をする時のように、椅子をきちんと引いて、
テーブルと自分との間に空間をなくしてしまうと、
自由に動ける場所がなくなることがわかるだろう。
その分、動きが少なくなり、姿勢がよくなるので、
お行儀よく見える。
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しかし、いわゆるお行儀がいい人間は、
ものごとをどんどん進めていくという、
積極的なイメージは与えない。
ここでは、熱心さをアピールするのだから、
十分に動ける空間を準備すること。
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そして、自分が熱心だと思われたい内容のところで、
身体を前傾する。
この時に、おしりさらに椅子の前にずらす。
横から見ると、おしりは椅子の端に乗せているだけで、
実際には、足に体重をかけて立ち上がりそうにしているように見える。
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つまり、テーブルを挟んで、相手の方に
あたかも立ち上がって近づいて行くようなしぐさをすると、
身体全体が連動して動くので、わざとらしくなく、
本当に熱心に何かをしようとしていることが感じられる。
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その時、あらかじめ机の上に載せておいた手を、
相手の方にゆっくりと出して行くといっそう効果的。
手を出すことで、相手のなわばりに侵入し、
同時に、相手の心の中に入り込むというしぐさだが、
勢いがよすぎると相手を警戒させるので、
動きはゆっくりすることが大切である。
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主に使う動き
● 接近の動き・・・・・・・・身体を前に向かってゆっくりと動かす動き